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2008年11月

2008年11月30日 (日)

投資ポートフォリオ

株価の暴落から経済の停滞へと凄まじい急降下は、投資ポートフォリオも役立たないことが明らかになりました。本来、組み合わせによって相殺することで、リスクヘッジするのでしょうが、ほとんどの資産で損失が生じてしまうとなんともなりません。

今回の急降下に対しては、「こんなときのためにポートフォリオで投資したのに・・・。ポートフォリオも平時の手法」と思わざるを得ません。素人投資家にポートフォリオを勧めていた証券会社等はどう言い訳してるのか・・・。あらためて、個人投資家は資産管理の重要性を痛感しなければなりません。(自分はどこまで投資にお金を使っていいのだろうか)

会社経営も似たところがあります。1つの事業分野では不安定だから、色々と分野を拡張していく。そのおかけで、A分野がダメでも、B分野で利益を確保して、全社としては何とか黒字に。そうやって、何年も会社経営を続けることができた。

しかし、この手法も投資ポートフォリオと同じで、グローバルで経済が停滞すると、収益事業分野を見出すのは難しくなります。しかも、新事業を立ち上げるには時間がかかります。

となると、やはり資産管理。これまで蓄えた体力でいかにこの嵐が過ぎるのを待つかです。自己資本比率の高い企業が圧倒的に有利です。これまでに投資パフォーマンスを考えずに、目先の必要性でキャッシュを流出していた企業には相当きつい嵐になりそうです。銀行頼みです。

市場も会社も個人も、不測の事態を吸収できる体力の範囲内を考えておくことが重要。このことを忘れていた時期がバブルなのでしょう。

2008年11月21日 (金)

数値VS経験

西原:「数字から考えると、改善が進んでいるように思えないのですが・・・」

担当者:「数字、数字って言うけどね。そんな数字だけで管理できると思ってるのか」

西原:「どうしてこういう数字になるのか原因を究明しなければ改善はできないと思いますが・・・」

担当者:「原因はわかってる」

西原:「何ですか」

担当者:「部材に不良が混ざっていたんだ」

西原:「しかし、それだけではないでしょう」

担当者:「あったとしてもそれは微々たるものだ」

西原:「微々たるってどれくらいですか」

担当者:「無視できる数値だから関係ない」

西原:「無視できるってどれくらい?・・・」

現場の熟練者は自負もあるし、現場を知らないよそ者から数値をあれこれ言われて不快なのでしょう。確かに現場の熟練者はよく知っています。しかし、いつも思うのは、いくら経験を積んでも詳細な数値まで感覚的にとらえることは至難の業だということです。

「微々たる」、「大半」、「ほとんど」・・・こうした言葉に今まで随分裏切れたものです。実際、数値を測定してみると、この言葉に反する数値が出ることはしばしばあります。現場の熟練者はイメージでとらえているのでしょう。特に直近の!!

それはそれで大雑把に大局でとらえることも必要なのですが、「どんぶり勘定」になってしまうことのリスクは避けられません。つまり、自助努力で改善しなければならない課題とそうでない改善をごちゃ混ぜにすることで、自社で改善できる課題を見逃すということです。これを繰り返していると、自社の技術力はいつまでたっても向上しないし、同様のミスを繰り返すことになります。

数値は冷徹なイメージがあり、それを言っている人にも冷徹なイメージを持つものですが、数値のもつ客観性はすばらしいと信じていますし、それで今まで随分役立った経験もあります。経営に求められるのは「数値AND経験」なのです。

2008年11月13日 (木)

人件費の変動費化

人事賃金制度を顧客に提案する際に、必ず人件費の総額管理について触れています。趣旨は人件費は固定化しやすいので、できる限り変動要素を取り入れて売上の増減に柔軟に対応しましょうというものです。

労働分配率の高い企業においては、特に強く奨めています。労働分配率の高い企業は、人材能力に高度な要求があり、それなりの技術であったり、危険を伴っていることが多い場合があります。この場合、高付加価値、高人件費になっているのですが、これを一般的な標準指標と比較して良し悪しを判断することは無意味と考えられます。したがって、変動要素を多く取入れて、人件費の硬直性を柔軟にして、労働分配率が高い水準で一定値を保てるように仕組みを考えます。

人件費を変動費化しようとすると、成果主義による賃金は避けて通れません。昨今は成果主義の批判を目にすることも多いのですが、これはマスコミのネタになりやすいという要因もあるのでしょう。私の関係先では、成果主義の導入で今までの問題が相当改善され、社員の意欲も伸び、全体に緊張感が溢れるようになった企業もあります。最近の世界的な不況が言われる下において、ある企業は「外部的要因で売上が下降しても、人員の削減なしで当社は乗り越えられるだろう。むしろこの機会に優秀な人材を採りたい」と。公表されていないだけで、おそらく成功している企業は世の中にたくさんあると推察します。

人件費の変動費化において従業員に担保しなければならないのが「情報公開」です。「なぜそのような人件費原資なのか」を明らかにすることは従業員からすれば当然でしょう。そこで納得できれば、「賞与半減もやむなし。しかし、次回の賞与を倍増するにはどうするか」となるのです。お金がすべてではないですが、多くの従業員の強い動機付けになることは確かです。

情報公開で必須なのが、「人事考課」と「企業業績」です。どちらもその管理には高度な合理性、客観性が求められます。人事考課は公平性と人材育成が、企業業績には恣意的にならない計数管理が必要です。これらを整えようとすると、業務の見直しに踏み込まなければならないこともしばしばです。しかし、この2つをしっかりと公開しなければ人件費の変動費化は成功しないでしょう。

景気がよくなると苦い思いはついつい忘れてしまうのですが、もはや高度成長期に生まれた仕組みは捨て去らなければなりません。過去のしがらみに遠慮することなく、未来を先取りする仕組みを断行することの重要性を思い知る時期が来たのかもしれません。

2008年11月 6日 (木)

QCDによる付加価値

QCDは製造業のマネジメントでよく使われます。Qは「品質」、Cは「コスト」、Dは「納期」。この三つをコントロールして、顧客に最適な製品を提供するわけです。

これを日常のビジネスのやり取りに適用すると、単純な作業でも価値に差がでることがわかります。例えば、部下が上司に指示された仕事の終了を報告するケース。

「品質」は報告内容となります。最低限必要なのは終了した事実。これに結果などの状況説明を加えればよりベター。

「コスト」はこの場合、報告書作成に必要な時間。短いほどいいでしょうが、さほど相手には問題ない要素です。時間がかかりすぎると自分が一番損することになります。さらに遅れると次の納期にも影響します。

「納期」は上司に報告するタイミング。これは非常に重要です。早ければ早いほどいい場合が多いです。上司から催促されるようではアウト。これが徹底できると、「あいつは仕事ができる」という評判になる可能性が大きい。

納期が守れても品質が悪ければダメということも考えられますが、単純な仕事はすでに一定の品質基準になっていることが多く(例えば、行政に提出する定期的な書類など)、人との差がつくのはやはり「納期」になります。(もちろん、早くても一定の品質が保たれない場合はやり直しで、納期は遅れます。)

「前の税理士さんのときは、従業員が退職しても催促しないと源泉徴収票を発行してもらえなかった。催促しても年末まで待たされた。しかし、今は退職者には要求しなくても即発行してもらっているので非常に助かる」と言われたことがあります。これなどは品質、コストが一定で、納期だけ大きく向上させることで付加価値が上がったいい例でしょう。

「言われた納期を守る」ことから、さらに「言われなくても相手のニーズを察して納期を考え、それを守る」というレベルまでいくと、「信用」という付加価値が得られるのです。そもそも納期のもとをたどれば約束だから・・・。

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